30年ぶりの故郷

大学進学の為、焼津を18歳で離れてその後30余年東京、大阪でサラリーマン生活。
やっと今夏、生まれ故郷へ戻ってこれたが、30年の月日はあまりにも長かった。

焼津の実家へは盆暮れ正月程度は帰ってきたので多少の現実は知っていたが、
町が大きく変貌して昔自分が知っていた焼津ではなくなっている!と、生活を始めて改めて感じる。

郊外には、
駐車スペースを2、3台分取った真新しい一戸建てが立ち並び、
新しい道ができて大型の店舗が立ち並び、活気を呈している。
外国人の多さにも違和感を感じる。

それに比べ、自分の住んでいる駅前は寂れに寂れている。
個人商店が立ち並ぶ駅前通りはどの店もシャッターを下ろしたまま。
車を運転できない妻は買い物に苦労している様子だ。


変わったのは町だけではない。
30年の月日が人も変えている。
皆年を取り、よく知っていた近所のおばさんの顔も危うく見過ごしてしまいそうだった。

3週間ほど前には近所のおばさんが亡くなられた。
子供の頃から知っている方で、いつも気軽に声をかけてくれる気の良いおばさん。
やっとこれからご近所づきあいを!と思い、
「よろしくお願いします」と挨拶した矢先の出来事だった。
本当に残念でならない。
時の流れを感じると共に、30年という時間を恨めしくも思った。

当たり前といえば当たり前だが、何もかもが変化している。
自分が生まれ育った土地なのに知らない土地へ来たような感覚も覚える。

空白に近いこの30年のギャップを早く埋め、違和感なく元通り自分の街としたい。